科学的根拠に基づく食情報を提供する消費者団体

執筆者

瀬古 博子

消費生活アドバイザー。フーコム・アドバイザリーボードの一員。

今月の質問箱

合成着色料の「赤色2号」、どのくらい食べている?

瀬古 博子

キーワード:

・食品添加物は800以上ありますが・・・

 日本で使用を認められている食品添加物は、厚生労働大臣が指定した「指定添加物」が439品目、いわゆる天然添加物である「既存添加物」が365品目で、合計800以上あります。このほかに天然香料などもあります。
 添加物には、保存料や甘味料、酸化防止剤などいろいろあります。その中で、今回は着色料について、私たちはどのくらい食べているのか見てみました。

・摂取量調査の結果

 実は、日本人の食品添加物の摂取量を調査する取り組みは1970年代から行われています。近年では毎年いくつかの添加物を選んで調査が行われ、その結果が公表されています。
 2012(平成24)年度では保存料10種類とともに、赤色2号や赤色102号など14種類の着色料について調査しています。
 これは地方自治体の衛生研究所と国立医薬品食品衛生研究所で、加工食品を穀類、魚介・肉・卵類などの食品群に分け、食品群ごとに添加物の含有量を測定し、日本人の食品摂取量を乗じて、添加物の一日摂取量を算出したものです。年齢層別の摂取量も示されています。

 さて、その結果は…。
 まず、赤色2号は、各食品群中の含有量が測定できないほど微量であったため、子どもから成人までどの年齢層でも一日摂取量は0.000mgと示され、限りなくゼロに近くなっています。また、その他では、成人の一日摂取量が、赤色3号では0.004mg、赤色102号では0.025mg、黄色4号では比較的多く、0.223mgでした。

・許容量の0.1%を下回る

 これらの摂取量は多いのか、少ないのか、安全なのか。それを考えるとき、指標となるのが、一日摂取許容量(ADI)です。これは、人が一生涯、毎日毎日食べ続けたとしても健康に悪影響を及ぼさないとされる量のことです。この量を上回る量を継続的に摂取するようなことがあれば問題です。
 まず赤色2号については、成人一人当たりの一日摂取許容量は29mgですが、摂取量はほぼゼロなので、問題ないといえます。
 赤色3号では、成人一人当たりの一日摂取許容量は6mgで、摂取量は前述のとおり0.004mgなので、一日摂取許容量に占める割合(対ADI比)は0.07%になります。同様に、赤色102号で0.01%、黄色4号で0.05%など、どれも一日摂取許容量の0.1%にも満たないレベルでした。

・こんな食品からとっている

おせち料理に使う食紅。赤色102号が入っている

おせち料理に使う食紅。赤色102号が入っている

 摂取量が割と多めであった黄色4号の場合、つけものなどからとっているようです。
ところで、添加物は各国で認可状況に微妙なずれがあります。赤色2号については、日本のほか、ヨーロッパでも「アマランス」と呼ばれ使用が認められていますが、アメリカでは使用されていません。赤色102号も同様です。
 赤色2号は、ヨーロッパの摂取量調査では、子どもでは摂取量は少ないものの、一部の成人で摂取量が多いという調査結果が示されています。ヨーロッパの調査では、成人の場合、食前酒、アメリカーノカクテル(カンパリなどが入ったカクテル)が赤色2号の主要な摂取源とされています(国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(化学物質)No.16/2010)。
 赤色102号については、我が家でも年に一度おせち料理を作るときに使います。卵に赤い色をつけるために食紅を使うのですが、その成分が赤色102号なのです。

・関心をもとう

 なるべく着色料なんてとりたくない、という考えの方もいらっしゃるでしょう。その一方で、おいしそうな色の和菓子や洋菓子の誘惑に打ち勝てないこともあります。
着色料は表示を見ればわかります。最近は、「トマト色素」といった野菜色素を着色料として使う場合も多いようです。
 どんな着色料を使っているのか、それとも使っていないのか、関心をもって表示をたしかめることで、納得のいく買い物ができると思います。

参考:
公益財団法人 日本食品化学研究振興財団 食品添加物一日摂取量調査
国立医薬品食品衛生研究所 食品情報部 食品安全情報

執筆者

瀬古 博子

消費生活アドバイザー。フーコム・アドバイザリーボードの一員。

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