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連載陣とは別に、多くの方々からのご寄稿を受け付けます。info@foocom.netへご連絡ください。事務局で検討のうえ、掲載させていただきます。お断りする場合もありますので、ご了承ください
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横山 勉さん(横山技術士事務所所長。食品技術士センター元副会長、元ヒゲタ醤油(株)品質保証室長)に、発酵食品についてご投稿頂きました。
世間では発酵食品の人気が高い。おいしいだけでなく、健康にもよいためだろう。筆者も発酵食品を楽しんでおり、納豆とヨーグルトは毎日摂っている。発酵食品の世界は奥が深く、筆者はみそソムリエと、醤油官能検査員を持っている。現在、発酵食品の知識を深めるために、様々な資格や講座が存在する。
筆者がみそソムリエ講座を受講したのは、2011年のことである。主催は(一社)東京味噌協会で、味噌文化の伝道者、味噌を深く愛する理解者、味噌を受け継ぐ伝承者の要素を備える資格だそうだ。
味噌の原材料は大豆、米麹、食塩である。会場では、蒸煮した大豆をマッシャーでつぶすが、この時に耐塩性酵母を混合する。つぶした後、ほぐした米麹と食塩をムラのないように混ぜ込み。これを、空気が入らないように樽に仕込む。ビニールで表面を覆い、重しを乗せれば当日の作業が完了する。
作業が終了すると質疑応答の時間だ。味噌メーカーの社員と思しき方から「雑菌が多いが、対策があるか」との質問があった。講師の回答は「徹底的な設備洗浄(含殺菌)」だった。筆者は「種麹量を増やすことで減少できる」と補足した。続いて筆記試験がある。ただし、簡単な内容のため、全員が合格する模様である。2021年はコロナ禍のため、中止になったが、2022年は開催できる可能性が高い。
ところで、仕込み作業は雑菌の少ない冬季に行うのが好ましい。季節が温かくなると、ふんわりと発酵した芳香が漂うようになる。ここで、上下を入れ替える。これを「天地返し」という。もう少し時間が経つと出来上がりである。使用初期は白い色だが、時間経過に伴い赤みが強くなる。どの時期であってもその時期のおいしさがある。したがって、賞味期限は一概には決めにくい。
資格をとった翌年に、独自に味噌仕込みを行ってみた。近年はスーパーで米麹を入手できる。入手困難なのが、生きている酵母である。これは無殺菌の味噌を種として用いればよい。
続いて醤油については、醤油官能検査員に触れておこう。こちらは、JAS規格で定める「こいくち」など5種類の醤油やアミノ酸を用いた醤油について、官能検査による識別が求められるものである。
ちなみに、これらに加えて筆者は丸大豆醬油と脱脂加工大豆主体の醤油も識別できる。前者は香りがマイルドなので識別しやすい。識別で難しいのが、こいくち醬油の3大メーカーであるキッコーマン、ヤマサ、ヒゲタの識別である。ヤマサには麹菌に由来すると思われる特徴のある香りが存在する。問題は残り2者の識別である。キッコーマンの火香(ひが)が強めだったと記憶する。ヒゲタ醤油に在籍していた時は識別できたが、退職して10年以上経った今となってはいささか心もとない。
さて、筆者は「発酵食品検定」という組織を立ち上げ、全国区で試験を行うことを検討していた。ところが2017年、(一社) 日本発酵文化協会に先を越されてしまった。「シマッタ」という思いである。
そうはいっても、出遅れたのであれば他で活動を始めればよい。それが「発酵食品もの知り講座」1)である。発酵食品に関するあれこれを一般市民に伝えたく、2022年5月から連載を開始した。
第1回目は発酵食品の「定義」を紹介した。ここでは、日本発酵文化協会では含めていない紅茶などの原材料に含まれる酵素作用による発酵や、有用な有機物を生産する「グルタミン酸発酵」なども含めている。
筆者は「技術士(農業)」の受験指導を行っており、その一環として、模擬試験を作成している。そのノウハウは、発酵食品もの知り講座の問題作成に役立てており、初級だけでなく、中級と上級の問題も準備して、問題形式で紹介している。
また、2021年9月には電子書籍「大豆変身物語」を上梓した。この中でも、発酵食品を数多く取り上げている。このように発酵食品には、様々な楽しみ方も存在する。
どうぞ、発酵食品に関心のある方はご覧いただきたく、ご案内申し上げます。
1)リンク先 https://yokoyama-food-enngineer.jimdosite.com/発酵食品もの知り講座
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