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GMOワールド

インドの海賊版GM種子

宗谷 敏

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モンサント社の害虫抵抗性GM綿花であるボールガード綿が作付けられているインドでは、このGM種子と地方品種を勝手に交配した、いわば海賊版GM種子が正規GM種子の半値で販売されている、とBBCが伝えている。

先進国においては、特許権や知的所有権は手厚く保護される。例えばカナダの農家であるパーシー・シュマイザー氏とモンサント社が、氏の畑のGMナタネが付近の畑からの交雑だったのか、あるいは氏が非合法に自家採種したのかを巡る98年来の係争では予審、連邦裁判所ともモンサント社が勝訴している。なおシュマイザー氏は最高裁まで争う構えで、少数大企業による種子寡占を懸念するGM反対派からは殉教者に列せられ、来月には来日講演も予定されている。
一方、途上国におけるこのような行為に関して貧困をその主たる理由に持ち出されると、我々はたじろがざるをえない。折しもWTOでは、AIDSに対するノーブランド薬品の途上国への輸出を認めようとする議論も行われている。
グローバリゼーションは、地域格差をも否応なく浮き彫りにする。南北問題は古くて新しい。